石綿健康被害の救済期限10年延長 改正法成立

アスベスト(石綿)による中皮腫や肺がんで死亡した労働者の遺族らを対象とした「特別遺族給付金」の請求期限を10年延長する改正石綿健康被害救済法が6月13日、参院本会議で可決、成立した。これにより、2032年まで請求が可能になる。現行の法律では今年3月27日までで、支援団体などが延長を求めていた。
中皮腫など石綿を吸い込んだことが原因の病気は、発症まで数十年の潜伏期間がある。労働者の死亡後、遺族が石綿との因果関係に気付くまで長い時間がかかるケースが多く、労災の時効(5年)を過ぎても遺族による請求が可能な給付金制度がつくられた。特別遺族弔慰金の請求期限も10年延長する。