「アジア-社会」カテゴリーアーカイブ

北大「薬剤耐性菌」人から自然環境に拡散 早急な対策を

北海道大学などの研究グループは、国内外で深刻な問題となっている、抗生物質が効かない「薬剤耐性菌」が、人から野生動物や自然環境にも広がっている可能性があることを明らかにした。グループは薬剤耐性菌が広がるルートを特定し、早急な対策が必要だとしている。
同グループはとくに耐性の強い大腸菌ST131について、2021年までの6年間に、岐阜県や滋賀県などで採取したタヌキやシカなど野生動物のフンや、川や湖の水と、同じ地域に住む人の尿からそれぞれ検出し、すべての遺伝情報を調べた。その結果、それぞれの大腸菌ST131で、分析した遺伝子の99.3%が一致した。そのためグループでは薬剤耐性菌が人から自然環境に広がっている可能性があるとしている。

インド パビリオン テーマ「命を救う」外観にハヌマーン

インドは4月25日、2025年大阪・関西万博に出展するパビリオンの概要を明らかにした。パビリオンの責任者を務めるインド貿易促進機構のプラディーブ・シン・カロラ氏がメディアのインタビューに答えた。
インドで信仰を集める猿の神様「ハヌマーン」が、山に茂る薬草で人々の命を救ったとする神話から「命を救う」をテーマとし、山をイメージしたパビリオンの外観にはハヌマーンの姿があしらわれている。パビリオン内部では宇宙関連の技術を展示するほか、製薬などの医療技術を紹介する。また本格的なインド料理を提供する。カロラ氏は来週にも入札でパビリオンの建設会社を決め、今年11月までに工事を終了したいとの考えを示した。

神戸ポートタワー 約2年半ぶりリニューアルオープン

神戸港のシンボルで改修工事中だった「神戸ポートタワー」(所在地:神戸市、高さ108m)が4月26日、約2年半ぶりにリニューアルオープンした。今回、地上100m付近にガラス張りの「屋上デッキ」を新設。六甲山系からベイエリアまで360度眺望を楽しめる。夜間の営業時間は改修前から2時間延長され、午後11時までとなる。

「水の都」ベネチア 観光客から1日5ユーロ徴収 試験導入

世界的に「水の都」として知られる観光地、イタリアのベネチアで4月25日、増え過ぎている観光客数を抑制するため、日帰りの観光客から1日5ユーロ(約830円)を徴収する制度が試験的に導入された。対象となるのはベネチア本島の旧市街を訪れる観光客。適用時間は8時30分〜16時。市内の宿泊客や14歳未満は免除される。実施期間は混雑が予想される連休など7月までの計29日間。2023年にベネチアをを訪れた観光客は約2,000万人に上っている。

米国 ウクライナなどへの支援14.7兆円 緊急予算案を可決

米連邦議会上院は4月23日、ウクライナなどを支援する緊急予算案を賛成多数で可決した。バイデン大統領が24日に署名し、成立した。イスラエルや台湾への軍事支援と一体で、総額953億ドル(約14.7兆円)に上る。このうち、ウクライナへの支援に608億ドル(9.4兆円)が充てられる。

JAXAの月面探査機SLIM 異例!3度目の夜も越え再起動

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月24日、日本初の月面着陸に成功した無人探査機SLIMが3度目の月の夜を越えても再起動したことを明らかにした。
月は2週間に1度、昼と夜が入れ替わり、昼の温度はセ氏110度、夜はマイナス170度になり大きく温度が変化する。SLIMの機体は夜を耐えられない設計だったが、極めて異例、嬉しい誤算とも言える、想定を大幅に上回る性能を示している。
日本より先に月面着陸したインドや米国の無人探査機は、この温度変化を克服できなかった。2023年夏に着陸したインドの探査機は通信を確立できなかった。2月に民間初の月面着陸に成功した米国インテュイティブ・マシンズも翌月に通信の運用を終了している。

フランスの25年万博パビリオン起工式「自然への愛」

2025年大阪・関西万博に出展するフランスは4月23日、会場の夢洲でパビリオンの起工式を行った。起工式にはフランス政府関係者、大阪市の横山市長、博覧会協会幹部らが出席し、工事の安全を祈った。工事は5月中にも着工し、2025年年明けごろまでに完成させたいとしている。
同国のパビリオンのコンセプトは「愛の讃歌」で、環境問題の解決に向けた「自然への愛」などをテーマに様々な企画やイベントを通してフランスの技術や取り組みを紹介する。

カタールの25年万博パビリオン デザインは隈研吾が担当

2025年の大阪・関西万博に出展するカタールは4月23日、会場の夢洲で起工式を開くとともに、建築家の隈研吾さんが手掛けたパビリオンのデザインを発表した。パビリオンはカタールの伝統的な帆船から着想を得たという木造建築で、外観は船の帆をイメージした白い幕で覆われていて、内装には日本産の杉を使用するという。パビリオンは24日着工し、2025年2月末ころに完成する予定。

”消滅の可能性ある”自治体744 全体の4割に 人口戦略会議

民間の有識者グループ「人口戦略会議」は、全体の4割にあたる744の自治体で、2050年までに20代から30代の女性が半減し、「最終的に消滅する可能性がある」とした分析を公表した。人口戦略会議は国立社会保障・人口問題研究所の推計のもとに、20代から30代の女性の数、「若年女性人口」の減少率を市区町村ごとに分析した。
10年前、2014年に行われた同様の分析に比べると、「消滅可能性自治体」は152少なくなっている。これは最新の人口推計で将来外国人の入国者が増加すると見込まれているため。したがって、「実態として少子化の基調は全く変わっていない」としている。
今回新たに消滅可能性自治体と指摘されたのは99自治体。一方、消滅可能性自治体を脱却したところは239ある。今回の分析で2050年までの若年女性の減少率が20%にとどまっている、65の自治体を「自立持続性自治体」と名付け、「100年後も若年女性が5割近く残っており、持続可能性が高いと考えられる」とみている。
また、大都市を中心に出生率が低く、ほかの地域からの人口流入に依存している25の自治体を「ブラックホール型自治体」と呼び、こうした地域では出生率の向上に向けた対策が特に必要だとしている。

JR尼崎脱線事故19年 現場慰霊施設「祈りの杜」で追悼式

乗客106人と運転士が死亡、562人が負傷したJR福知山線脱線事故から4月25日で19年経過した。兵庫県尼崎市の現場、慰霊施設「祈りの杜(もり)」では朝から追悼慰霊式が営まれた。同式には遺族、負傷者、JR西日本の役員らが参列し、午前9時18分に黙とうを捧げ、犠牲者を悼んだ。
JR西日本の長谷川一明社長は式典で「命の大切さを刻み、ハード・ソフト両面での改善を継続し、さらなる安全性の向上に努める」と述べた。