『再生可能エネルギーの利用形態は多彩である。』 第5回 協同組合Masters 会長 濱出健一

<コラム>『再生可能エネルギーの利用形態は多彩である。』 第5回 協同組合Masters 会長 濱出健一
採光(光 → 光)
太陽光を直接窓などから入れる方法の他、反射板や光ダクト等の採光装置で室内に取り込み、照明として利用する。
太陽光発電(光 → 電気)
太陽電池を利用し、太陽光を直接的に電力に変換する。日光の当たる場所ならばどこでも発電できる一方、天候に影響を受け、夜間は発電できない。携行できるものも多く、僻地や人工衛星などでも使われる。散乱光でも利用できるほか、温度特性上は気温が低い地域の方が有利である。価格低減が課題であったが、中国等で製造されるより低価格の太陽電池が増加する一方、米国でのグリッドパリティ達成が近いとする見解もある。
温室(光 → 熱)
太陽熱を取り込み逃がさないことで保温を行う。ガラスやビニール製のものを地上に設置する場合が多いが、地面に穴を掘って採光部以外を地下に設置することで土の断熱効果や地中熱による保温効果を得たり、蓄熱壁 (trombe wall) で囲うことにより保温性を大幅に高めた太陽温室(日光温室)がある。パッシブソーラーと共通する方法である。
太陽熱温水器(光 → 熱)
黒いパネルで集熱し水を温める。変換効率が6割程度と高い。比較的安価である。
太陽炉(光 → 熱)
反射板やレンズによる集光で高熱を得る。小型のものはソーラーオーブン(ソーラークッカー)と呼ばれ、数百度程度の熱を得て調理に用いる。周囲が非常に眩しくなり視力障害を防ぐためサングラスが必要。天候に左右され、快晴でないと十分な熱量が得にくい。
太陽熱発電(光 → 熱)
反射板等による集光により蒸気を発生させ、タービンを回して発電する汽力発電である。溶融塩等を用いた蓄熱により24時間発電可能。直射日光が多く、平均気温が高く、大面積の土地が確保できる条件に向く。条件が良ければ太陽光発電よりも安価。
ソーラーアップドラフトタワー(光 → 熱)
膜の下で暖めた空気を煙突に導いて上昇気流を起こし、煙突内部の風力発電機を回す。煙突が高いほど上空との気圧差が高まり大きな風力を得られる。太陽熱と風力のハイブリッド型発電。
太陽帆(光 → 運動)  宇宙船の推進力

温泉(熱→熱)  地熱により暖められた温水を直接間接的に利用。入浴や治療のほか調理や暖房にも利用できる。
地熱(熱→熱)  地熱を直接給湯や暖房や調理等に利用。
地熱発電(熱→電力)  地熱で蒸気を発生させ発電。
水熱(熱→熱)  大気と水との温度差を利用し食品の冷却や解凍に利用。
雪氷熱利用(熱→熱)
冬場地下施設、コンテナや、排雪場に蓄えた雪氷を夏場のマンションや宿泊施設、データセンターの冷房に利用。冬場に農作物の目的とした雪室は断熱効果による保温効果も持つ。氷の保存を目的にした氷室は目的は異なるものの近い形態である。内部に氷のある天然の風穴では周囲の気温まで下げる場合がある。
地中熱(熱→熱、熱+電力+気化現象→熱)
熱伝導や地中熱ヒートポンプを用いて浅い地下と外気との温度差を利用し給湯・暖房等に用いる]。
空気熱(熱+電力+気化現象→熱、熱+電力+化学エネルギー→熱)
空気熱ヒートポンプを用いて空気熱を移動させ給湯や冷暖房に用いる。欧州連合では性能等の要件を満たしたものを統計に含める。日本では経済産業省が再生可能エネルギーに分類しているものの統計に含まれていない「空気熱、地中熱、水を熱源とする熱の利用に関する統計手法の確立に努めている。
放射冷却(熱→熱)
地表と宇宙空間との温度差による夜間快晴時の放射冷却を利用して低温環境を作り出す。電力を用いない非電化製品が実用化されている。
風窓(風力+気化現象→熱)
各部屋から屋上に伸びた煙突の上に風受け(バッド・ギア)を設置し海風を屋内に取り込み冷房効果を得る。乾燥地域の海沿いで用いられる。
海洋温度差発電(熱→電力、熱+電力→電力)
海の表層と深層の温度差を利用して発電し、作動流体ポンプが必要な方式と不要な方式がある[39]。コストと性能に課題があり、研究段階である。
Mastersは代替えエネルギーとして何をしようとしているのでしょうか? Continue